2016年度農業問題研究学会秋季大会のご案内

投稿者: | 2016年10月7日

2016年度農業問題研究学会秋季大会のご案内を掲載しました。

2016年度秋季大会案内

【日  時】 2016年11月3日(木・祝)10:00~17:00 (※会場受付は9:30から)
【場  所】 東京農業大学世田谷キャンパス1号館2階(東京都世田谷区桜丘1-1-1)
【参 加 費】 会員2,000円 非会員2,500円 学生(会員・非会員とも)無料
【大会内容】 個別報告、分科会、60周年記念講演、全国幹事会
※大会終了後、懇親会を開催いたします。併せてご参加ください。

Ⅰ.午前の部(10:00~12:00)――――――――――――――――――――――――――――――
※会場の受付は9:30からです。

◆個別報告(10:00~12:00)<212教室・213教室>

※個別報告は報告25分、質疑15分です。

第1会場:212教室
時間 報告タイトル/報告者/座長
10:00~10:40
集落営農における地代と労賃の衝突と法人化
-岐阜県平地農村地帯の事例分析-
荒井 聡(岐阜大学) /曲木 若葉(農林水産政策研究所)

10:40~11:20
東日本大震災津波被災地域における大規模経営体形成とその形態の規定要因
-岩手、宮城、福島3県の事例を比較して-
小野 智昭(農林水産政策研究所) /石井 圭一(東北大学)

11:20~12:00
佐賀県平坦二毛作地帯における新規需要米生産の存立構造
―飼料用水稲生産の展開状況に着目して―
小川 真如(早稲田大学大学院) /品川 優(佐賀大学)

第2会場:213教室
時間 報告タイトル/報告者/座長
10:40~11:20
露地野菜部門における新規参入者の経営展開と農地利用―群馬県高崎市倉渕地域を事例に―
倪 鏡(JC総研) /江川 章(中央大学)

11:20~12:00
2014年アメリカ農業法に対する農業利益団体の態度と背景―日本農業への影響を念頭に―
西川 邦夫(茨城大学)大仲 克俊(岡山大学)/ 磯田 宏(九州大学)

<昼 休 憩> 12:00~13:15
※全国幹事会 12:00~13:00 <224教室>

Ⅱ.午後の部(13:15~17:00)―――――――――――――――――――――――――――

◆60周年記念講演(13:15~14:15)<241教室>

「官邸農政は日本農業をどうするか」  梶井 功(東京農工大学名誉教授)
◆分科会(14:30~17:00)<241教室>

「特殊農村的な日本的低賃金構造解消の諸結果」

【代表者】:新井 祥穂(東京農工大学)
○座長:新井 祥穂(東京農工大学)/山崎 亮一(東京農工大学)
○報告者1:氷見 理(東京農工大学大学院)
「滋賀県東近江市における農業法人の展開過程
-近畿型地域労働市場における法人の分化-」
○報告者2:中崎 和馬(東京農工大学大学院)
「長野県飯島町における農業法人の展開過程-「衛星的な法人」に着目して-」
○報告者3:謝 驕南(東京農工大学大学院)
「中国珠江デルタにおける農民工の調査研究—日台系外資企業と地元私企業との賃金構造比較—」
○コメンテーター:山本 昌弘(広島国際学院大学)
◆懇親会(17:15~19:15) レストランすずしろ(東京農業大学キャンパス内)

【懇親会参加費】
一般参加者:3000円  学生参加者:2500円

<個別報告要旨>

第1会場(212教室)<10:00~12:00>

○第1報告
集落営農における地代と労賃の衝突と法人化-岐阜県平地農村地帯の事例分析-
荒井 聡(岐阜大学)

旧品目横断的経営安定対策を契機として設立・再編された集落営農が、法人化期限を迎え、また農地中間管理事業への対応などのために、近年その法人化が進んでいる。任意組織ではムラ、土地所有の論理が先行し地代が優先的に確保される傾向があったが、法人化によりそれに制限がかかり経営の論理が前面にでてくることになる。
そこで本研究では、近年、法人化が急速に進んでいる岐阜県海津市の集落営農を数事例分析し、法人化にともなう集落営農における労賃と地代の衝突の様相を措定し、経営体としての内実化、労働力自立化について展望・考察する。

○第2報告
東日本大震災津波被災地域における大規模経営体形成とその形態の規定要因
-岩手、宮城、福島3県の事例を比較して-
小野 智昭(農林水産政策研究所)

東日本大震災の津波被災地である岩手、宮城、福島3県の農村では、農業復興過程で100ha規模の大規模経営体の形成が各地でみられ、それは少戸数型と集落ぐるみ型の2つの形態がある。大規模経営体の農地集積と表裏をなして大量の離農がある。本報告は、3県での復興事例を比較して、第1に津波被災と農業復興過程における大量離農と大規模経営形成の要因、第2に大規模経営体の形態の相違を規定する要因を明らかにする。

○第3報告
佐賀県平坦二毛作地帯における新規需要米生産の存立構造
―飼料用水稲生産の展開状況に着目して―
小川 真如(早稲田大学大学院)

伝統的二毛作地帯の佐賀県小城市・白石町の飼料用水稲生産・耕畜連携を実態分析し、個別農家の転作対応、地力回復等に貢献するが、生産組合や共乾利用組合での軋轢を生むことを明らかにした。裏作麦を理由に稲わらの飼料利用が進み、WCS用稲は稲わらの代替に位置する。対象地域の飼料用水稲生産・耕畜連携が進展する余地は少なくないが、既存の二毛作体系に阻害される構造や、現行制度が阻害要因となる二毛作特有の側面を解明した。
第2会場(213番教室)<10:40~12:00>

○第1報告
露地野菜部門における新規参入者の経営展開と農地利用―群馬県高崎市倉渕地域を事例に―
倪 鏡(JC総研)

本研究の目的は、群馬県高崎市倉渕地域の事例を通じて、新規参入者の異なる経営段階における農地利用の特徴を明らかにすることである。当地域は25年間で計38組の新規参入者が就農している。本研究はアンケート調査の結果を踏まえ、就農8年以上の新規参入者を中心に分析した結果、就農直後に一途に面積を拡大させ、5年-8年の間にピークを迎えるが、その後は面積を減らしつつも、一定の規模を維持し、経営は量的な拡大から質的拡大へ転換していくことが明らかになった。

○第2報告
2014年アメリカ農業法に対する農業利益団体の態度と背景―日本農業への影響を念頭に―
西川 邦夫(茨城大学)
大仲 克俊(岡山大学)

本報告では、2014年アメリカ農業法に対して、政策決定に大きな影響を与える農業利益団体が作物  別に異なった態度を示していること、その背景として価格高騰と政策による恩恵が異なっていることを明らかにする。以上の結果として、相対的に不利な立場に立たされた米生産者を代表とするアメリカ米連合会が、日本への輸出拡大意欲を強めていることを明らかにする。研究の手法として、当事者へのインタビューと各種政策文書の解析を行う。

<分科会要旨>

○第1分科会<14:15~17:00>
特殊農村的な日本的低賃金構造解消の諸結果
代表者:新井祥穂(東京農工大学)

【企画のねらい】
日本の地域労働市場が構造的な変化を遂げた結果として、特殊農村的な日本的低賃金構造は基本的に解消したと考えられる。そのことが現時点でいかなる諸結果をもたらしているかを、次の2点について考察する。
①「近畿型地域労働市場」の地域における農業生産の担い手の存在形態を、滋賀県東近江市と長野県飯島町の法人経営を素材に検討する(第1、第2報告)。
②日本企業による特殊農村的な低賃金構造の海外における再編を、中国珠江デルタを対象地としながら、地元中国企業の賃金構造と比較しながら、検討する(第3報告)。

<東京農業大学世田谷キャンパスへのアクセス>
□小田急線経堂駅下車…徒歩15分
□小田急線千歳船橋駅下車
…徒歩15分
…バス約5分【千歳船橋駅-農大前】
(東急バス ・渋谷駅行(渋23)、等々力操車所行(等11)、用賀駅行(用01))
□JR山手線渋谷駅下車
…バス約30分【渋谷駅-農大前】
(小田急バス・成城学園前駅西口行(渋24)、調布駅南口行(渋26)、東急バス・成城学園前駅西口行(渋24)祖師ヶ谷大蔵駅行(渋23))
□東急田園都市線用賀駅下車
…徒歩20分
…バス約10分【用賀-農大前】
(世田谷区民会館行(園02)、祖師ヶ谷大蔵駅行(用01))
□東急東横線田園調布駅下車
…バス30分【田園調布駅-農大前】
(東急バス・世田谷区民会館行(園02))

 

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